「ツール・ド・おきなわ」で結果を出すためのペダリング改善講座〜その2
シマノの最新パワーメーターを使っているサイクリストを応援する、ユーザー参加型連載企画のシーズン2。目標レースの「ツール・ド・おきなわ 市民レース140km」へ向けて、ハムスタースピン代表の福田昌弘コーチによる指導を開始してから約2か月経ち、各メンバーには驚きの変化が!? 読者の皆さんも参考になる、シマノのパワーメーターを活用したペダリング改善術を紹介しよう。
【CASE1】劇的な変化! “素人っぽい走り”から“乗り慣れている人の走り”に
身長178cm、体重60kgで42歳の松本達哉さん。今回の目標は市民レース140km(マスターズ)でトップ集団に残るという高い目標を掲げている。
フルスクワットをはじめ、ペダリング動作を改善するためのドリルに取り組み、逐一シマノコネクトラボでデータを確認してトレーニングしたところ、上の動画のようにメンバーの中では最も大きな変化が出た。
「ハンドル荷重になって上半身をロックしてしまう癖が解消され、ペダルに体重を載せられるようになってきました。また、股関節を動かせるようになってきたのでサドルを下げることができるようになり、高すぎるサドルも改善されました。後半になるにつれて走りが安定しなくなってくるのもまだ出てはいますが、だいぶ改善されました。
こうなるとハンドルの長さをより長く、高さをより低く変更してもいいのですが、大会前にいろいろいじると迷う原因になるので、ひとまず本番へはこのままポジションはいじらない方が良いでしょう」。
「また、初回の診断のときにはペダリンググラフがきれいに90°でピークを描いてはいたのですが、前荷重になって上半身がロックした状態だったので、それを改善したうえで同じグラフを描けるようにするのが課題でした。今回は見事にそれをクリアしつつあるうえで、同じようなグラフを描けるようになってきました」。
「フルスクワットも良くなりました。初回は股関節を伸ばせないため、腰を反って代償(だいしょう:ある動作ができないことを、別の動作で無理に補ってしまうことを言う)していましたが、改善後はしっかりと股関節を伸ばせるようになっています」。
「自分自身、ライドするときの感覚がすごく変わってきていて、それを動画やデータで見てみると変化が一目瞭然ですね」と満足げな松本さん。
【CASE2】上半身の無駄なブレが抑えられるようになってきた
身長165cm、体重53kgの久保田直幸さん。2023年大会では140km(マスターズ)で20位以内を目指すことを目標にしている。久保田さんは上半身がペダリングのたびに揺れ動き、最初からかかとが下がっていて踏み遅れが出ているのが課題だった。これも多くのサイクリストに共通する症状だ。
「まだまだ揺れ動いてはいますが、上半身の揺れがかなり抑えられるようになってきました。また、かかとが下がり踏み遅れてしまう癖もだいぶ改善が見られています。あとは、“手首がロック”した状態になっているので、そこは改善の余地ありです」。
「フルスクワットについても、だいぶ落ち着いてできるようになりましたね。立ち上がる動作が良くなっています。ただ、まだ膝が爪先よりも前に出ていて、股関節よりは膝関節の曲げ伸ばしをしたくなる傾向にあるようです」。
指導を受けて久保田さんは「体重の3.5〜4倍くらいのパワーで巡航するとき、以前よりもすごく楽になったと感じています。この企画に参加して、本当に驚いています。ただ乗り込むだけが全てじゃないって、気づかされました」とコメント。
【CASE3】見てすぐ分かるほどに“自転車に安定感が出た”
左迫間昭一さんは身長168cmで体重は63kg。2022年のツール・ド・おきなわ市民レース100km(マスターズ)の優勝者だ。今回は市民140km(マスターズ)での優勝を目標にしている。
「フルスクワットについては、まだ背中を反ったり丸めたりしているものの、だいぶ良くなっています。また、膝が爪先から出なくなってきており、しっかりと体幹を使い股関節も動かせるようになってきていることが分かります」。
左迫間さんは「私も他のお二人と同じで、中〜高強度で巡航するときすごく楽になったなという感覚があります。いやぁ、もっと早くこうした指導に出会っていればなぁ(笑)。本番は優勝を狙いますよ!」とコメント。
次回はいよいよ大会本番
わずか2か月という短い期間で大きな変化が見られた3人。果たしてツール・ド・おきなわ市民レース140km(マスターズ)の本番ではこれが実を結ぶのか!? 次回はモニター2期生の集大成となる参戦レポートをお届けしよう。